住まいを貸す契約の流れ④入居者募集要項について
入居者募集要項を設定する
入居条件については、ターゲットとなる候補者属性を含めてきちんと考えなくてはなりません。まず間取りや広さによって、一人暮らし向けか家族向けかが分かれます。交通利便性や周辺環境によっても通勤・通学する人向けか、子育てする家庭向けかなどが分かれます。
同じ一人暮らしでも近隣に大学や専門学校などが多ければ、学生中心の募集となるでしょう。また、セキュリティー設備がしっかりしているとか日常の管理面を強化しているという物件ならば「女性限定」という選択もできるかもしれません。そうすると安心・安全を求める女性にとっては魅力的な物件になるので、空室を回避する対策になる可能性があります。
ただし入居条件を狭く限定すると、思ったより応募が少なかったときに募集範囲を広げることができないので、反対にデメリットとして作用してしまう可能性も十分に考える必要があります。
このほか「ペット」をどうするか、「楽器」などの音が出るものについての条件・ルールはどうするかなどは、物件の構造・仕様上可能かどうかと近隣への迷惑という点も考えて決める必要があります。トラブルが面倒だから全部禁止という考え方もあるでしょうが、許容することによって同地域の競合物件に比べて魅力が打ち出せて優位に賃貸経営が行えることもあるので、最初は広く可能性を探ることも必要です。
さらに、入居時の初期費用の設定で競争力を高める方法もあります。敷金や礼金を減額するほか、入居当初一定期間の家賃を不要とする「フリーレント」も効果的です。