住まいを貸す契約の流れ③賃料について
物件の概要を把握するのと合わせて、所在エリアの家賃(賃料)相場を調べます。そして物件概要と相場を照らして貸し出す物件の家賃を決めていきます。
家賃の算出方法として、「積算」「比較」といったニつの方法があるので紹介します。
「積算」とは、土地の購入資金や賃貸住宅の建設資金など、賃貸住宅建設に必要な費用を積み上げ、そこから月額家賃を算出する方法です。以下の式で表されます。
{(土地+建設費)+(借入金額+金利)+貸主の利益}÷ 償却期間 = 月額家賃
これに対し「比較」による算出は、対象物件の周辺に所在する類似した物件の家賃をいくつか調査し、それを立地、築年数、間取タイプ、設備、仕様などから修正し、自己物件の家賃を算出します。
「積算」によって賃料を算出しても、その賃料が相場とかけ離れていては借りたいというニーズを獲得できませんから、最終的には「比較」による方法で市場性をチェックする必要があります。その際、「3DK月額12万円」というように賃料の「総額」で比較する方法と、「単価」で比較する方法があります。この「単価」というのは「坪単価(または1帖あたりの単価)」のことで、有効居室面積、つまり住宅の総面積から水回りや廊下、玄関など居室として使用できない部分を除いた単価で考える方法です。
この方法ですと、近くに比較できる物件がないときや、変則的な間取りの物件での賃料査定が可能です。具体的には、有効居室面積1帖あたりの単価を算出し、対象物件の有効居室面積に当てはめていきます。
しかし、適正家賃の設定には、その物件が持つ固有の要素や相場などを加味することが必要不可欠です。ですから、そうした情報に詳しい地元の不動産会社や多くの物件の仲介を取り扱っている不動産会社に賃料の査定を依頼することは、間違いやなかなか借り手が見つからないというリスク低減につながります。